トラブルが起きた。とりあえず復旧した。でも——また1ヶ月後に同じことが起きた。

これは、根本原因を潰せていないのが原因です。

「なぜなぜ分析」は、この「繰り返すトラブル」を防ぐための思考ツールです。製造業・建設・設備保守の現場で広く使われていますが、「やり方がわからない」「記録が残せていない」という声をよく聞きます。

この記事では、実際の現場で使えるなぜなぜ分析の進め方と記録の仕方を解説します。


なぜなぜ分析とは

「なぜ?」を繰り返し問いかけることで、トラブルの根本原因を探る手法です。

トヨタ生産方式で生まれ、製造業を中心にあらゆる現場で使われています。


なぜなぜ分析の進め方

ステップ1:事象を正確に定義する

まず「何が起きたか」を具体的に書きます。

❌ 悪い例:「機械が壊れた」
✅ 良い例:「第2ラインの充填機が2026年5月21日13:20に停止し、生産が44分停止した」

曖昧な事象定義から始めると、なぜを掘り下げても見当違いの方向に進みます。


ステップ2:「なぜ」を3〜5回繰り返す

問い回答例
なぜ1なぜ充填機が停止したか?センサーが誤作動したから
なぜ2なぜセンサーが誤作動したか?センサー周辺に粉塵が堆積していたから
なぜ3なぜ粉塵が堆積したか?清掃スケジュールに含まれていなかったから

なぜ3で「仕組み・ルールの問題」にたどり着いたら、そこが根本原因です。


ステップ3:根本原因から対策を立てる

根本原因が「清掃スケジュールに含まれていなかった」なら、対策は「センサー周辺の週次清掃をスケジュールに追加する」です。

「センサーを交換する」だけでは、また同じことが起きます。


よくある失敗パターン

「人のせい」で終わる

❌ なぜ3:「担当者が確認を怠ったから」

これは根本原因ではありません。「なぜ担当者が確認を怠ったか」をさらに掘り下げると、「チェックリストがなかった」「作業量が多すぎた」など、仕組みの問題が見えてきます。

対策が「注意する」になる

❌ 対策:「今後は注意する」

行動ベースでない対策は再発防止になりません。「何を・いつ・誰が・どうやって」が具体的に決まっていることが重要です。


4M1E分析と組み合わせる

なぜなぜ分析と合わせてよく使われるのが 4M1E分析です。

要素意味確認ポイント
Man(人)作業者の問題未熟・疲労・判断ミス
Machine(設備)機械・設備の問題老朽化・メンテ不足
Material(材料)素材・部品の問題品質不良・仕様違い
Method(方法)作業手順の問題手順書なし・手順違い
Environment(環境)作業環境の問題温度・湿度・騒音

トラブルの原因をこの5軸で整理してから、なぜなぜ分析に入ると漏れが減ります。


記録を残さないと意味がない

分析したのに記録が残っていない——これが最大のもったいないです。

なぜなぜ分析の記録を蓄積すると:

  • 繰り返すトラブルのパターンが見えてくる(「毎月第1週に設備トラブルが集中する」など)
  • 新人教育の教材になる
  • 月次報告書の根拠データとして使える

スマホで記録を残す方法

HIRAKU(現場報告書アプリ)の「原因分析」カテゴリには、なぜなぜ分析(なぜ1〜3)と4M1E分析が最初から組み込まれています。

📋 HIRAKUの原因分析カテゴリでできること

  • 4M1E(Man/Machine/Material/Method/Environment)の5軸で原因を入力
  • なぜ1〜3を順番に記録
  • 写真2枚を添付してPDF出力
  • データはCSVでエクスポートして集計も可能

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記録を月次で集計・可視化する

HIRAKUで記録した原因分析データを蓄積・集計したいなら、HIRAKU Boardが対応しています。

  • 今月の原因分析件数・完了率をKPIで表示
  • 月別の件数推移をグラフ化
  • 月次会議用レポートを自動生成

「先月より原因分析の件数が増えた→現場でトラブルが増えているサイン」といった傾向を数字で把握できます。


まとめ

なぜなぜ分析のポイントは3つです。

  1. 事象を具体的に定義する(「機械が壊れた」ではなく「いつ・何が・どう止まったか」)
  2. 「仕組みの問題」にたどり着くまで掘り下げる(人のせいで終わらせない)
  3. 記録を残して蓄積する(分析して終わりにしない)

記録が蓄積されると、繰り返すトラブルのパターンが見えてきます。それが本当の現場改善につながります。

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